2015-12-31

北欧総括。

Leoです。


 しばらくぶりのブログ更新になりましたが、相変わらず、悶々と生きています。

※実は、1224日から15日まで、北上しながら旅行をしています。フィンランド経由でさらなる北の大地を目指し、バスと電車に揺られる男二人旅です。その間、連絡が途絶え気味になっていると思います、よろしくです。

北極圏のスキー場から。
たしか、お昼過ぎの写真です





 同じ大学に留学していた友人たちが次々と帰国していく、セメスター終わりの日々。

 それぞれが「普通の生活」に戻っていくと、集まってビール飲んだの楽しかったなぁとか、出会った頃がなつかしいなぁとか、最後まであいつの英語よくわからんかったなぁとか、いろんな思い出がよみがえります。

 そして、僕にもついに、北欧生活の終わりが見えてきました。この記事を書いている今日が1230日。もう、出国まで2週間程度となります。

 実は不思議なもので、名残惜しさはありません。むしろこれまでの生活の終わりに清々しさを感じていたり、次に歩を進めるインドネシアで何が起こるのかワクワクしていたりで、自分でも少し驚いています(日本に帰ったらまたあの目まぐるしい生活がはじまると思うと、ゆったりまったりの北欧生活に執着していたくなりますが…)。

 たぶん、やりたかったことを最大限やり切ったと自負していること、世界との距離が縮まって「どうせまた帰ってくるっしょ」くらいの価値観になってしまったこと、「留学」がもはや「ちょっと場所を変えて勉強した」くらいの感覚になっていること、そして、ある問いに答えを出せそうで、次のステージがもう楽しみで仕方がないこと、あたりが、僕をドライにしているのかなぁ、なんて思います。


 2016年の足音が聞こえてきたので、今年の振り返りなるものを書こうとしていたのですが、やめました。時間の経過が早すぎて、振り返るべき思い出がつい昨日のことのようなのです。普段からこまめに振り返りながら生きる人だからあまり意味ないなぁ、と思ったので、自分の中での整理も込めて、この一年(特に日本を発ってから)を通して変化した点を思いつくだけ、書くことにしました。

 思いついた順に書き連ねましたが、真面目なのが前のほうに、テキトーなのが後ろのほうにまとまったあたり、少しは真面目になったのかな?


*************

・今の自分がしたいことが、初めに来るようになった。

 それっぽいとか、褒められるとか、自慢できるとか、どうでもよくなった。承認欲求のほとんどがどっかにいってしまって、自分のしたいことの実現を無意識に最優先にしている。なにより、それが一番ストレスを感じないのだと気づいたらしい。

・(一つ目と似ているけど)自分に正直になった。

 素直になった。時々話をするときに盛ることはあるけれど、見栄を張るためにつく小さな嘘がアホらしく感じるようになった。むしろ、自分の本心から逆らって何かをするたびに、何かにむしばまれる感覚というか、後ろに下がっている感覚というか、そんなものを抱くようになった。見栄えよく生きるより、泥臭く本心の向かうままに生きたい、と思うようになった。

・長所短所じゃなくて、特徴を見るようになった。

 長所や短所というのは、ある特徴のとらえ方でしかなくて、そこには主観が混ざってしまう。こんな長所があるんだぜ!と手放しで喜ぶでもなく、こんな短所、なくしてしまいたい…と嘆くでもなく、僕にどんな特徴があるのか、そしてそれはどんな時に強みになって弱みになるのか、どうすればもっと良くなるのか、客観的に考えるようになった。そしてそれは他人に対しても同じで、人の悪い面だけ見えてしまうことがあったが、それを生かして何かできるかもしれない。とてもうらやましい性格を持っている人に対して、妬みを感じることはかなり少なくなったように思う。

・思わぬ思考のフックが増えた。

 出国前に、二人の先輩とランチをした際、その二人が話していたことが、やっとしっくりきた。見えない問題を問題として見る時には、あるいは新しい発見を得る時には、いろんな出来事や一見変哲もないことに対して、思考の引っ掛かりが必要だというような話だった。…と、思う。

 僕は、大学で、授業をいくつか取った。そのうちの二つが、僕に思わぬフックを携えてくれるものだった。一つは、文化間コミュニケーション。自分とは大きく異なる文化的背景を持った人とコミュニケーションをとる際、「異文化理解」は大切な要素の一つである。が、実際その差異というのは実態がつかめないものだ。どんな視点から見るとどれくらい離れているのか、判断する指標を持っていないから、というのが一つの理由だ。具体的に言えば、不確実なことをどの程度避けたがるか。振る舞いや思想は、独立的か集団的か。それらを、いくつかのフレームワークを用いて国単位で比較し、議論や発表をする授業だった。

 そしてもう一つは、国際化と国際正義。ジョン・ロールズの正義論をベースに、様々な批判や支持(主にジリアン・ブロックのGlobal Justiceでゼミをした)を戦わせた。足を踏み入れたての僕にとっては週1~2回のゼミ準備で精いっぱいだったが、国際問題に対して先進国はどんな責任があり、後進国はどんな権利があるのか、今までなんとなく考えていたことの根本を、学術的に深めるきっかけとなった。

 これらのフックをもっと鋭利にしつつ、いつかつながって何かが起きることを心待ちにしたい。

・写真に対する価値観が変わった。

 写真をきれいに撮ることや、見たままに写真に残すことに、今までほどに価値を見出さなくなった。写真を撮ること自体は依然好きだが、それが薄まったというよりは、今を楽しむことに焦点を当てるようになった。というか写真に残すことが先行して、今のこの瞬間を楽しむことを少し忘れかけていたことに気が付いた。日本に帰ったら、「今をもっと楽しむツールとしてのカメラ」になりうるカメラを、買おうと思っている。もちろん、美しい写真にメッセージを込めたくなったときには、また写真の勉強を再開したい。

・1か0かという考え方をやめた。

 結局、その間のどこかに答えがあるから。こういうところは1寄りだけど、こういうところで0っぽさがあると言えるよね。という感覚が基本になって、議論はぶつかり合いじゃなくて、パイの生地をこねているようなものなんだなぁと思った。しかしこれのおかげで、ディベートが下手になった(賛成か反対か?を問われても、賛成っちゃ賛成だけど反対っちゃ反対。が常であるからだ)。

・太った。

 飯が美味いんだもん。。。日本を出たころに、「全身バキバキになって帰ってくる!」と豪語して、筋肉の勉強までしていた割には、それ以上に食ってる飯が多すぎ&高カロリーすぎて、おなか回り顔回りがだらしなくなってしまいました。日本に帰って体脂肪率とか測るの怖い。。。インドネシアで鍛えようかしら。。。ただ、料理の腕は格段に上がりました。

・文化に優劣をつけることに疑問を抱くようになった。

 さっき上に書いた文化間コミュニケーションのフックに引っかかったことの一つだ。細かく書くのが面倒、というか細かく書けるほどいろいろ考え切れていないので、これについてはもう少し寝かせたいと思う。

・ヒゲを伸ばすようになった。

 日本にいたころは、人のヒゲを「ある」「ない」くらいでしか見ていなかった。はやす部分、長さ、整え方、髪型とのマッチ感などを見て、個性を表すアイテムの一つとして使っているスウェーデン人を見習い、ヒゲに気を遣うようになった。

・人生というキャンバスの、ベースカラーを一新した。

 いままで考えていた人生観は、自分は常に仕事や勉強をしていなくちゃならなくて、自分の時間や趣味に費やす時間はその隙間になんとか入れるものだ!というものだった。つまり、仕事というベースカラーのキャンバスに、自分の時間を乗せるというような発想だった。しかし、スウェーデン人の多くは逆で、自分の時間という自由な色のキャンバスの上に仕事や勉強を好きなように乗せるので、自由な時間は捻出するものではないことを知った。どちらでもワークライフバランスは考えられるなら、自分にはどちらが心地よいのだろう。と考えた結果、どうやら後者に近いようだった。


*************


 …そんなもんでしょうか。ほかにももっと、帰ってから気づくことがあるはずですが、おいおいゆったりと気づいていけたらなぁと、思います。




 そして、ついに進みたい方向が具体的に見えてきました。

 これまで、地球惑星科学からはじまり、国際開発・貢献・協力、環境工学、デザイン思考、正義論、インドネシア語、、、と、いろんな領域をかじっては次、かじっては次、を繰り返してきました。それを話すと時々、「すごくいろんなことを勉強しているんだね、すごいね!」といわれるのですが、当の本人は真逆で、全部薄っぺらくて中途半端で、僕はいったい何屋さんなんだろう?どれなら、数年間にわたってひたむきに打ち込めるんだろう?いろんなことはしたけど、結局は何も勉強してきていない。なんて中途半端な人生なんだ。と、これまでにない大きさのモヤモヤを、2015年の3月あたりから抱えていました。

 いろんな人と話しながら、そして北欧の暗い一室で悶々と思いを巡らせながら、10か月たってやっとこさ、その問いに答えを出しつつあります。もちろんまだまだ精錬させる必要がありますが、きっと将来長きにわたって勉強・実践をする領域になるのでしょう。それを考えると、ワクワクとニヤニヤが、止まりません。

 日本に帰ってから、今までお世話になってきた、あるいは世界中に散らばった、たくさんの素敵なお兄さんお姉さんたちと、まったりと熱く語りながら、キラキラした顔を見せるのが今から楽しみです。待っていてください。



 今回はこんなところで、終わりにしておきます。
 書き溜めた記事がいくつかあり、更新しないまま2016年を迎えることになってしまうのは心残りですが、気が向いたら更新していこうと思います。


 では、よいお年を!





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