2015-10-26

僕に最も影響を与えた女子中学生と、英語の話1【アホ高校生と中二女子編】

Leoです。
自己紹介はこちら


今回は、僕の英語について、過去の経験を整理しながら書いてみました。

英語学習者のためになるかどうかは分かりませんが、全文書き終えてから、最後のほうはそこはかとなく、つまづいている人に向けた文体に修正してみています。軽い気持ちで覗いてみてください。

※なので英語自信ニキの方は、さようなら(´・ω・`)


(最近、記事の質が落ちてきたので、量よりももう少し質を重視して、今後更新していこうと思います。。。)
(あと、文字サイズ大きくしてみました。どっちのほうが見やすいんだろう…ご意見求ム)
(いつか、Crystalにも読んでほしく、英訳したいです。できっかな)


(自慢のように聞こえかねない文章になってしまった気がしますが、本意ではありません。もしそう感じたら、それ以上読まないことをお勧めします)





僕に最も影響を与えた女子中学生

英語の話





まえがき


大学で国際交流サークルに入っていることを話すと、よく「じゃあ英語喋れるんだ?」と、聞かれます。まぁ、国際交流背負って名乗ってるわけですから、そりゃそうですよね。
で、それに対し、まだまだ発展途上ではあるものの、「僕は英語が喋れます」と、胸を張って言うことに決めています。



参考までに更新日現在の英語レベル(聞く・喋る)を以下に箇条書きで明示してみます。

大丈夫
・日常生活

たいてい大丈夫
・多少テクニカルな話(プロジェクトマネジメントとか北欧史とかOKでした)
・英語のSitcomやMovie、Youtube、TEDなど
・複雑な人間関係の話
・初めてするトランプゲームのルール(ただし負け続けた泥酔時を除く)
・少し訛ってる非ネイティブ(EUだと、ゲルマン語族系はほぼ平気)

ちとつらい
・訛ってる非ネイティブ(特にラテン語族、インド、ベトナム、インド、南インド)
・ラテン語族特有のイントネーション(スペイン人は知ってるスペイン語でしのぐ)
・早口なNative Speaker
・British English(語彙と発音がきつい→これとか字幕つけて観たい…)

つらい
・専門分野等の深い議論
・礼儀正しい、お堅い語彙・言い回し、書き言葉
 イ ン ド 人 全 般


…と、そのくらいのレベルのところに、います。


わかりやすく言えば…帰国子女、ビジネスで英語をゴリゴリ使う人、TOEFL100点台の人、とかからすれば、
「あぁ、そう(笑)すごいんじゃない(笑)」
くらいのレベルです。上の下か中の上か、みたいな。喋れます、が、たいしたことないです。


けど、実は高校生のころ、英語の授業が苦手でノイローゼになっていたことを考えると、ちょっと視点が変わるでしょうか。そんな話題から結びつけて、最後に英語学習に対するちっぽけな持論を展開しようと思います。





英語が大の苦手だった高校時代

何が何だか……


高校では、クラスメイトからも先生からも馬鹿にされ、赤点ギリギリの点数を取っては警告を食らいつづける、怒涛の3年間を過ごしました。三年生の初めごろに解いたセンター試験模試で、点数が二ケタだったという伝説もあります。授業もわからないから寝ちゃうし、寝ちゃうからわからなかったです。(しまいには、大過去って、ずっと石器時代とかのことだと思ってました

俺の人生で、自分が英語喋れるようになるなんてこと、ないんだろうなぁ。と、自他ともに誰もが信じ切っていました。


でも英語喋ってる日本人って、なんかかっこいいですよね。
関根麻里さんとか、伊勢谷友介さんとか、CMで見てて、すげぇなぁって。石川遼さんとか、渡辺謙さんとか、マシ・オカさんとか、世界を舞台に戦ってるなぁ輝いてるなぁって。思いませんでした?

外国人の友達も、カッコいいから、ほしかったです。周りのみんなが話せない中、俺だけペラペラしゃべってたらやべぇなぁモテるなぁって。今考えると、「なぁに中二こじらせとんじゃ」って盛大に突っ込んでやりたいです。


そしてなにより一番は、周りのだれもが信じ切ったその前提を覆したら、超面白いじゃん、という、目的もクソもない強いモチベーション(承認欲求強め)だけがありました。


そう。
今となっては「英語は道具。それを使って何をするかが大事だよ」なんて、一般論が体に染み付いてしまいましたが、始まりは、かっこよさと、その憧れだけでした。

だから、受験で使うリーディング、リスニングなどは脇に置いといて、しゃべる時の発音を、洋楽をまねして練習していました。うん、やはりこの、形から入るあたりは、ずっと昔から頑なにブレていません。

どうでもいいことですが、初めてちゃんと聞き始めたのは、高校一年か二年生の時、Back Street Boysでした。いまだに、その曲を聴くと、通学路を思い出します。高校、禁止だったのですが。先生、昔はごめんなさい。(ほんとにどうでもいい)


見るだけでなつかしい。
そして、すこぶるどうでもいい


何を歌ってるかわからないし、歌詞見ても訳せないし、ただ聞いている自分に酔っていたのでしょう。ただ、幸いにも発音だけにはセンスがあったのか、発音のルールとか舌の動きから”勉強”せずとも、モノマネみたいな感覚で、RとLの発音などを別のものとして理解したり、それっぽく発音できたり、していました。



で、それに加え、なにがきっかけだったか忘れましたが、(まぁたぶんどうせ「外人の友達がほしい!」とかだと思いますが)ペンパルという素敵な概念に出会いました。それが、高校2年生の後半。




Leo少年、ペンパルに出会う

手書きだったら少し変わっていたかも


ペンパルとは、広義に文通という意味です。

私が出会ったものは特に、ネットで探した外国人と英語でメッセージのやり取りをしよー、というもの。まぁ簡単にいえば、グローバルな出会い系サイトですね(実際に使用したサイトも、連載最後に説明とともに載せておきます)

文化交流としてだったり、日本に行くから案内してくれ~!だったり、目的は様々で、実は利用者が多く、そういうサイトも結構たくさんあります。


受験勉強をほったらかして、その中の一つに早速登録。自己紹介の文章を考えるのに電子辞書片手に奮闘したり、メッセージが来るたびにパソコンの前でニヤついたり、それはそれは狂気の沙汰だったと思います。

そして、初めて何往復も連絡を取り始めた人は、フロリダ州に住む中学二年生の女の子、Crystalでした。自己紹介に、アニメとかめっちゃ好き!って書いてあって、NARUTOの話ならできっかな、程度でした。




でも、この時はまだ想像もしなかったのです。


この子が、その後の俺の人生を、
大きく変えることになることを…



※注:以下、たいしたことは起こりません



ちなみに初めに送ったメッセージは、こんな感じ。


実際の画面貼り付けてみた


うっわ、恥ずかし。
「Japanese male. ってなんだよ」とか突っ込まないでください。「ReceiveじゃなくてReplyだろ」とか、やめてください。「なるはやなのか、余裕があるときなのか、どっちなんだよ」もうやめろ!やめてくれ!!

皆さん、これがゆとり世代ど真ん中の高校2年生が実際に書いた、最高傑作の英文です。いっそ殺してくれ…。


このメッセージの返信を境に、彼女とペンパル生活が始まります。お返事まで晒したら怒られそうだから、やめときますが、「俺、海を越えてメールしてる…時差とか気にしなきゃじゃん…アメリカ人ってこんな感じなんだ…なんかすげぇ…」と謎に感動してたことを鮮明に覚えています。

これが、僕の国際交流愛の、原点です。



今、久々にメールボックスを掘り返してみると、2日で1往復以上のメール頻度を、高2の2月から、高3の12月ごろまで、続けていたみたいです。そりゃ、現役で受験失敗するわ。

時には1000字以上のメールが送られてきて、それに一文ずつに丁寧に返信するから、書き上げるのに2時間くらいかかったりして。すげぇな、よくやったな。と、我ながら思います。そして彼女以外にもメッセしてた人は、かわるがわる、いました。たまにつらかったけど、めっちゃ楽しかったです。いい思い出にもなっています。


時に、彼氏いるの?を、
「Do you have steady? (コイビト、いるの?)
と、古語の死語で聞き、爆笑されたりもしました。
a も抜けてるし。英語、ひどいなぁ…



僕のきったねぇ英語を毎回添削して直してくれたり、スラングをいくつも教えてくれたり、毎回How are you today? と聞いてくれたり、彼女の忍耐力と、僕のあきらめない心が、今の僕を作ったみたいです。


今でも、時々Facebookで連絡を取り合います。そういえば、僕にFacebookのアカウントを作らせたのはCrystalでした。初めての友達もCrystalで、確か大学入るまでの間、Facebook上ではずっと友達が一人の状態でした。





――そして2013年4月。

一年間の自宅浪人を経て、東工大に入学します。



現役生と、何かしら差をつけたい…
そんなコンプレックスから僕がとった選択肢は、スウェーデンまで一筋に伸びる光だった!

(そして、英語学習についての分析も!



次回、【バカ大学生の英語学習編】



ではまた!!!

参考
http://blog-imgs-76.fc2.com/j/i/p/jipangnet/igvsuv.jpg
http://www.reallifeglobal.com/wp-content/uploads/2013/03/speaking-online-4.jpg
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/1/19/Thehits-chapter1-bsb.jpg
http://www.japan-guide.com/

2015-10-13

ぼんとこ北欧生活3 ~Nikaと反省と決意~

Leoです。



今日は、スウェーデン人との話ではないです。Georgia(旧・グルジア)出身のイケメン、僕のCorridor mateのNikaとのお話です。


Corridor(廊下)沿いに8つ部屋があるから、Corridor mate
その廊下の先には、こんな素敵なリビングとキッチンがあります



僕の最近の夜の過ごし方は、筋トレしては肉をワシワシ食べて課題か勉強しているか、スウェーデン人とSitting Bulldog(ビール)片手にBarでダーツしているか、そのまま酔ったノリでその辺のパーティに乱入しています!


…とだけ聞くと、完全に休暇気分のウェーイ系留学生に聞こえるでしょうか。飲みに行くのは、せいぜい週2日くらいで、あとはおうちで勉強しています。留学生の楽しそうな日常なんて、楽しいいくつかの夜の切り取りに過ぎないことが多々です。


(余談ですが、BarやNight club partyに行って友達に友達を紹介してもらったりするのは、とても良い英語の勉強になることに気づきました。普通に話しても何言ってるか聞こえないため、耳に全身の神経を集中させて聞き取ることになりますし、しゃべる時も正しい発音で最も伝わる表現を選ぶことが必要です。新しい英語の発音癖にも出会います。そうすると、そのあとの帰り道、友達との会話が、聞き取れる聞き取れる)


とはいえ、授業も少なければサークルの幹部とかでもないので、正直、すごく長い休暇のようなものです。勉強しようと思わなければ、一日中寝てるでもネットサーフィンでもお菓子作りでもしていられます。ほぼ、ニート大学生です。


いや。日本とアメリカからたくさんの本を持ってきました。考えたいことも学びたいことも、いくつもあります。そして、きちんと毎日自分を制して、意識的に勉強時間を確保するように心がけています。ニート大学生というよりは、自宅浪人生のほうが近いかもしれません。


時として、いくつかのサークルの活動に参加させてもらっても、います。そこでは、スウェーデン人やほかの国からの留学生から、価値のある議論を引き出したり、文化差異とその背景について、熱く語り合います。本来そんなサークルじゃないのですが、勝手に、意識調査や分析を行っています。




…だけど、僕も機械ではなく、人間です。



気分がすぐれないとき、何をしてもモチベーションの上がらない日、ぼーっと携帯やパソコンに向かう時間が長めの日、などなど、怠けてしまう時間帯や日も、あります。課題多いなぁ、机向かっても集中できないなぁ、日本今何時だっけなぁ、なんて。





そんな舐め腐った心持ちで、リビングでご飯を食べていたある夜でした。





何も考えず、ただ座ってご飯を食べていると、Corridor mateのNikaが、食器を洗いに来ました。

こういうとき、僕の住んでいる廊下では、大抵、
おー。今日なんかClassあったの?2つあったよー、DiscussionとLectureだった。そっかー、俺もAssignment出したり、なんか大変だったわー、やっとご飯ってとこ。ゆーてまだ月曜だしね、また明日からがんばろー。うん、がんばろー、おやすみねー。
くらいの、軽い挨拶が起こります。


いつもはこんなもんなのですが、時々、今回のように、ちょこっとだけ踏み込んで、話し込むこともあります。



今週の課題、30ページの論文(英語)読むのと、プレゼンとグループディスカッションあってさー。笑っちゃわない?笑



と、Nika。英語圏出身でもないし、もうやんなっちゃうわーみたいな雰囲気で話していたから、まじか、週30ページはきついな、しかも専門でしょ?って返すと、




いや、ちょろくて、退屈でさ。ジョージアにいたころは、毎週のように180ページくらい読んで、発表とかディスカッションできるくらいまで必死で勉強しなくちゃいけなかったんだ。だから今週は、少しLazyだったんだよねぇ。





(゚Д゚;)






いつも、どのパーティに行っても見かけるお前が、か…??
Night Eventに片っ端からGoingつけてる、お前が、か!?!?




と、一瞬は耳を疑いましたが、よく彼と話している内容は自分の専門のことや授業のこと、興味がある分野とかであることを思い出すと、たしかに、なんだか理にかなっているようにも思いました。



やっぱみんな、これくらいのつらい思いして、勉強してきているんだなぁ。それが、ちょっとは嫌なのかもしれないけれど、義務感というよりは、彼らが自分の専門に誇りを持っていること、専門的な知識がすごく豊富なことから推測するに、やはりこいつも、やりたいことだからやっている。そんな感じがします。




たまに、やりたくないことでもどれだけ頑張れるかが能力だ!とか、いわれるのを耳にしますが、それは、やりたいことを存分にやっている前提であるべきだと思います。



日本人の頑張り根性って、スゴイ!なんて、褒めるように言われることもあります。

けど、俺は全然すごくないや。。。と、ちょっと、へこみました。好きな分野(今の専門ではない)の専門知識は伸ばそうと頑張って勉強しているし、議論できるほどにはなってきているのかもしれないけれど、今の学部についていえば、単位数はギリギリ。成績も特段よくない。専門知識なんてあってないようなもの。正直、今勉強していることに関する研究室への道は、残されていなくて、自分の手で断ってしまいました。




ううむ。ちょっと、考える。





もやもやしてよくわからなくなりました。笑





けど、考えながら常に頭の片隅にあったこと。それは、僕は、自分の生きたいように生きたい、やりたいことをやりたいように、学びたい。ということでした。


僕が追求する価値のあることって、周りの人と比べて、優っている!どや!と見せびらかすことではない。やりたくないことに頑張り根性を発揮することでもない。


そうじゃなくて、ただ単に、
自分が絶対的に、興味のあることを、どのようにどれだけ積み重ねてきたか。
それによって、どんな新しい可能性を、ワクワクを、掘り起こして育てていけるようになるのか。
ということに価値を見出す人のようです。



専門じゃないことを、自分の専門とは別に身に着けるなんて、想像できないほどに大変なことだと思います。受動的に入ってくる授業もなければ、議論をまともにできる人も周りにいないから、深めるには人を探さなくてはいけない。



だけど、逆に言えば、それを吹っ飛ばせるくらい学んで、考えて、「え!?お前、それ、専門じゃなかったん!?!?」って言わせるレベルまで持っていっちゃえれば、超おもしろいですよね。
そんな挑戦的な目標は、僕が東工大を目指して自宅浪人をしていたころと、似たようなモチベーションの一つです。


ここで自分に打ち勝つことが、精神的につらいことだとは、わかっています。だけど、先を見据えて、もっと勉強しなきゃ。というか、もっと、勉強したい。




そんなことをふと思った、夜ご飯の一場面を、スクラップしてみました。





それにしても、ゆっくりとリビングに一人佇んで、ご飯食べてるだけで、次々やってくるみんなと話せて、良いです。部屋にこもって黙々とご飯食べてたら、そのうち病みます。



では、そんなところで。


先を見据えて、といった手前、帰国後の自分の姿を、もう少し具体的に想像したいものです。何ができる状態でありたいのか。そのWhy?が決まれば、自然とHow?とWhat?が見えてくるはず。



Leo

2015-10-10

ぼんとこ北欧生活2 ~Andyの日本留学~

Leoです。


前回更新から、ずいぶんと時間が経ちました。
この期間にもいろんな刺激を受け、僕のBloggerは投稿目前の下書きまみれです。


また、ぼちぼち、更新していきます。


残念ながら、金髪のねーちゃんと遊びほうけていたわけではありません。


-----------



僕の在籍する東京工業大学には、"授業料不徴収協定"みたいな名前の協定を結んでいる大学が、世界中にあります。


東工大からその中のどれかへ派遣交換留学をする際には、東工大に授業料払ってさえいれば、あっちには払わなくてええよん。みたいなもので、東工大生にとっておそらく一番ポピュラーな中長期の留学プログラムだと思います。もちろん、Linköping Universityはその協定校の中の一つです。


そして、Vice Versa。リンシェーピンから東工大へも、同様に留学しやすい一つの選択肢になっているわけです。



そんなうれしい制度を使って東工大に半年間来ていたAndy(同い年/男性/イケメン)と、スウェーデンで再会することができました!


Andyに誘われて、「日本に行っていた/これから行くスウェーデン人たちの飲み会」に、ちょろっとお邪魔したときに、彼とじっくりと、話していました。

実は、日本にいたとき、飲みに行きたかったのだけどなかなか予定が合わず、結局、おひるごはん何度か食べたくらいしか話せていなかったので、今回はとても良い機会でした。



結構飲んでたから、話がうろ覚えではありますが、日本で感じた、スウェーデンとの違いについて、がっつり語ってもらっていました。忘れないうちに、メモ代わりにシェアしておきます。



*合意気質がもどかしいこと

Andyは東工大で、ある電気系の研究室に所属していました。そこで、いわゆる研究発表のゼミや輪講があったらしいのですが、そのディスカッションで、日本人は合意気質であると感じ、それが少しもどかしいと感じたようです。


ところで。

スウェーデンでは、スウェーデン語が主な言語として用いられます。この言語にはいわゆる「敬語」が存在せず、強いて似たような概念を挙げれば、目上の人への応対の際には口語のように砕けた表現を使わない、程度のものでしょうか。

また、以前の記事でも書きましたが、僕は、スウェーデン人は平等観が非常に強い、と感じています。研究室で言えば、ボスも学生も、同じ立場から発言をしたり、意見を言ったり、それに対して反応したりします。それは誤差はあれど、就活の際も、企業内でも、たいていの組織の中では、そのような平等性は保たれます


保たれます。と、断言してみましたが、僕がなんとなくそう感じたから!…では、ありません。

違うときに話した、ベトナム系スウェーデン人のKimに、面白い本を見せてもらいました。日本語で言うと、組織運営論みたいなものでしょうか。世界にはどのような形の組織があって、それを一般的に広くかみ砕いたような本でした。(タイトル、メモしたのにどっかいっちゃったので、次あったときに、聞いてみます)


追記(2015.11.06):
コメント欄より、この本を教えていただきました。ありがとうございました。
THE ORGANIZATION IN ITS ENVIRONMENT
PDFはこちらから
また、現在履修している授業「Intercultural Communication」でも、このGeert HofstedeのPower Distanceの議論およびいくつかのDimensionに ついて、触れられていたので、界隈では有名な議論であるようです。



Kimに見せてもらった本


組織運営だと、とても権威のある本らしく、せっかくなので10分くらい読ませてもらいましたが、単語が難しくて全然わかりませんでした(英語力不足)。そして、この本のあるページに、世界の国々の組織スタイルの分類が載っていました。日本は右下、スウェーデンは左上と、直感的に対極にあることがわかります。

なにを示す図かというと。

に行けば行くほど、上司と部下の持つ力の量に差がある
に行けば行くほど、役職による力の差はなくなる
に行けば行くほど、リスクをいとわない
に行けば行くほど、不確実性を嫌い、避けたがる

のようなものです。まぁ、不確実性は今回、あまり関係ないです。


すなわち、
・日本では、部下はボスに使われるから、部下がボスに反論するなぞ言語道断
・スウェーデンでは、ボスは単にマネジメントをするという役職の人であるだけで、ロジック通ってれば文句言っても問題なし、むしろウェルカム(個人差あり)
みたいな構図に、なっているようでした。



…上下関係の平等性の話に戻ります。


日本の事情が当たり前になってしまった僕には、なかなか斬新で、しかし日本にはそのままの形では決して導入され得ないだろうな、と思ってしまいます。また、”the IKEA way”という概念がスウェーデン発であることも、筋が通っています。


そんなスウェーデンの授業のディスカッションや研究室のゼミでは、(僕もそう感じることがたまにありますが)議論が甘い点や説明不足な点へは、生徒からの鋭い質問がすぐさま飛びます。これは、学生の意見へ、のみならず、教授の話の最中でも、ためらいなしに起こります。



ところで。
日本にいた時に、レクチャー形式の講義が行われ、一方的でつまらないと文句を垂れる学生をよく見ました。そう、僕のことです。
けど、これも、授業形式に問題があるという一辺倒な批判が目につきますが、そうではなく、「学生と教授の関係を、上下関係ではなくただの役職ととらえる」と、もっと人主体の考え方に変えると、新しい道が見えるのかもしれません。残念ながら、詳しいことは、わかりませんので、この議論は放棄します。







*男女の対応区別が悲しいこと

「そういえば、とても悲しい発見もあったよ」

少しまじめな表情に戻ったAndyが、いくつかのことを思い出しながら、その体験を共有してくれました。


ジェンダーの平等に敏感なスウェーデン人にとって、日本のいくつかの点は、なにか突き刺さるものがあったようです。それは、映画館、公共交通機関、食べ/飲み放題の値段、そして日本人の常識としてのジェンダーのとらえ方などです。


女性専用車両なんかは、痴漢が社会問題になった当時(というかいまでもなくなってはいないですが)、画期的な解決策として考えられて導入されるに至りました。それに対し、日本国民のほとんどは、この前までの僕も含め、違和感を感じず、受け入れました。

冷静に考え直すと、僕は理不尽で、犯罪を助長する政策だな、と思ってしまいます。「痴漢が起きるなら、男女を離しましょう!」と、安易に考えるに至ったようにしか思えません。


…この議論について書き始めると、たぶんそれだけで記事が終わってしまうので、書きませんが、Andyの男女の対応区別への気づきは、日本で20年前後を過ごし、日本人に囲まれ過ごしてきた、生粋の日本人文化を持った僕一人では考え付かない気付きでした。

※ちなみに。スウェーデン語には、上記で述べたように敬語がないばかりでなく、ドイツ語等のように男女での単語の使い分けもほとんどありません(話を聞く限り、完全に無いわけではなさそうですが、単語ごとにいちいち、ということはありません。英語と似ています)。まぁ、日本も、ほとんどないのですけどね。


*しょうがない精神に"和"を感じること

しょうがない。

日本にいるときに、起きた事象に対して、しょうがない。と受け入れる日本人を見て、感銘を受けたといいます。

しょうがない」は、本来「仕様がない」と書かれるフレーズで、手段や方法さえ分からない、対処できないという「諦めと受け入れ」の意を込めて、しばしば使われます。派生して、「意味がない、分かり得ない」の意味になることもありますが、今回はこちらではありません。(例:黙っていたってしょうがないでしょう!)


怒ったって、しょうがない。

悲しんだって、しょうがない。


Andyは、これを聞いて日本人の秩序、治安に納得したそうです。

飛行機が大幅に遅れたり、欠航になったりした際。怒って受付に怒鳴りつける人の割合は、ほかの国では見られないと言います。それはきっと、しょうがない、と受け入れる姿勢がある人が多いからだと、分析してくれました。そして、無宗教にもかかわらず、自分の足で立つ強さにも言及していました。

問題解決という目線から見ると、受け入れるのではなく、解決策を考えようよ!みたいに、無能かよ!と思う人もいるかもしれません。が、人同士のつながりの形成という目線から見ると、僕は素敵なことだと捉えたいな、と、思います。


*お土産カルチャーが難しいこと

これに関しては、単純に、日本の特殊な文化に翻弄された、ということなのですが(笑)

研究室のメンバーがどこか旅行に行くと必ず、お土産を買って来ることが、不思議でしょうがなかったようです。なんでいちいち買ってこなくちゃいけないんだ?静岡なんていつでも行けるでしょう!みたいに喚いていました。

これ、なんでなのでしょうね。
僕は個人的に、旅にあたってお世話になった人には、お土産を渡すついでにお土産話をして、感謝を伝えるきっかけにすることがあります。ただ、誰にも彼にも買ってくるのは、いまとなっては、する必要も感じられなければ、したいともあまり思いません。



…といった感じでした。


日本どうだったよ?何が楽しかった?何が大変だった?と聞くと、スムーズにたくさんの意見が出てきました。僕がスウェーデン人と話してるときに、こんなに堂々とポンポン、悪いところをあげられるだろうか。と思うくらいに、です。

しかも全て、自分なりのロジックの上に成り立った意見として。


あ、これ言ったらどう思うんだろ。これ差別主義者っぽい言い方になってないかな。

とか、考えてしまって、自分の場合はすぐに意見が口から出てこない気がします。正直になんでも語ってくれたAndy。自分に自信を持っていて、心を開いてくれる、尊敬できる友人です。



以上。


コメントやフィードバック、お待ちしております。

Twitterはこちらです。